ボーエン病
ボーエン病
長らく治らないかゆみを伴う皮膚のびらんは、ボーエン病を疑います。表皮内ガンで扁平上皮ガンの前がん状態です。びらんの一部を切除し、病理検査で確定診断したのち、根治手術になります。浅く広がっている場合が多いので、切除後は皮膚移植術が必要になる場合が多いです。大きさによりますが、当院でも手術できます。
当院では1名(平成20年5月~23年12月)ボーエン病が見つかり、早期手術で根治しております。
注)びらんという状態は、皮膚の表面をカバーする表皮がはがれて、真皮の一部が露出した状態のことです。
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基底細胞がん
基底細胞がん
最近では基底細胞腫とも呼びます。顔面に多い皮膚がんです。不規則な黒色の小さいこぶが形成されたり、潰瘍化したりします。
腫瘍辺縁から5mm程度離して筋膜をつけて切除すれば、根治可能です。切除後にはまわりの皮膚を三角形に切って、移動する皮弁形成術で新しい皮膚を移動し、治す場合が多いです。
転移はまれですが、小さくても、転移を起こす真の意味で悪性タイプがあるので、注意を要します。できるだけ早く発見することが必要です。大きさが小さければ、当院でも手術できます。
当院では4名(平成20年5月~23年12月)見つかり、早期手術で根治しました。うち、2名は小鼻、1名は下あご、1名は鼻よりの下眼瞼でした。
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頬部の基底細胞がん
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鼻の基底細胞がん
有棘細胞がん
有棘細胞がん
扁平上皮がんとも呼びます。皮膚が不整に盛り上がり、潰瘍化します。皮膚は通常の色や茶褐色のこともあります。腫瘍辺縁から10mm程度離して、筋膜をつけて切除すれば、根治可能です。切除後にはまわりの皮膚を三角形に切って、移動する皮弁形成術や皮膚移植術で新しい皮膚を移動し、治す場合が多いです。
大きくなると、深い組織まで浸潤し、高率に転移を起こしますので、注意を要します。できるだけ早く発見することが必要です。大きさが小さければ、当院でも手術できます。
当院では1名(平成20年5月~23年12月)進行した有棘細胞癌の高齢者がおいでになり、総合病院をご紹介しました。
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パジェット病
パジェット病
乳首のまわりや、陰部に生じる赤いびらんを伴う皮膚がんです。恥ずかしい場所にできることが多いため、発見が遅くなりやすい皮膚がんです。
特徴は表皮内に浅く広がるため、赤みの辺縁から5cm以上離す広範囲切除が必要になります。早期発見できれば、切除のみでも根治できますが、2,3年放置してしまい、進行すると、パジェット癌と呼ばれ、膀胱や膣に浸潤し、容易にリンパ節転移や肝転移を起こし、予後不良です。
当院での組織検査はできますが、根治には入院全身麻酔手術が必要ですので、当院では対応できません。
当院では見つかっておりません。
悪性黒色腫
悪性黒色腫
メラノーマとも呼びます。皮膚にべたっとした黒色で、にじむようなシミを認めます。黒褐色のこぶを形成するタイプもあります。まれに色がないタイプがあり、発見が遅れると、根治は難しくなります。浸潤や転移が非常に早いため、拡大手術や化学療法が必要であり、当院では対応できません。大学病院もしくはがんセンターをご紹介いたします。
当院では1名(平成20年5月~23年12月)悪性黒色腫の方がおいでになり、大学病院をご紹介しました。
外毛根鞘がん
外毛根鞘がん
外毛根鞘腫の悪性タイプ、毛根細胞由来の癌です。極めて稀です。
当院で1名(平成20年5月~23年12月)見つかり、根治しました。
皮膚ガンの写真
あえて、いろいろな皮膚がんの写真を公開するのは、早期発見につなげたいためです。ご高齢の方のみならず、若い方にも発生する場合がありますので、少しでも変だなと思われたら、必ずお近くの皮膚科や形成外科をご受診ください。基底細胞腫が一番多い皮膚ガンです。