隆起性皮膚線維肉腫
隆起性皮膚繊維肉腫(りゅうきせいひふせんいにくしゅ)
長い名称なので、短縮は英語の頭文字を取って DFSP と呼びます。
特徴
皮膚領域の肉腫としては頻度が高いものです。
局所再発しやすいが、転移は生じにくい。
体幹、四肢近位部に多い。
経過
始めは少しの皮膚隆起が数年続き、その後急に大きくなる。
皮膚症状
虫さされの痕と、表現されることが多い。
腫瘍は、色が暗紫色から茶褐色で、小さい塊を伴う。
病理所見
割面は充実性で、灰白色から灰黄色を呈する。
核異型性の乏しい均一な紡錘形細胞が花むしろ上に並ぶ。
治療
腫瘍が1cm以下 辺縁から最低2cm離して、筋膜下で広範囲に摘出
腫瘍が1~3cm 辺縁から3cm離して。
腫瘍が3cm以上 辺縁から5cm離して。
取り残すと、再発しやすく、難治性になります。
大きさが小さければ、当院で手術ができます。
大きくなってしまった場合は大学病院やがんセンターでの治療が必要になります。
当院では病理診断で1名見つかり、大学病院をご紹介しましたが、再度病理組織を検討して良性の皮膚線維腫とわかり、追加治療は行われませんでした。
未分化多形細胞肉腫
未分化多形細胞肉腫
以前、悪性線維性組織球腫と呼ばれていました。
特徴
組織球由来、さまざまな組織型があり、詳細はいまだに不明。
非常に稀です。
50~70歳 男性に多い。
下肢(特に大腿)、上肢、後腹膜に好発。
腫瘤形成のみ。痛みなし。
境界ははっきりしているように見えるが、筋膜や筋肉に沿って浸潤。
悪性度は高い。転移も生じる。
治療
外科的切除が第一選択
補助療法として、化学療法や放射線療法も行う。
当院では1名見つかり、がんセンターをご紹介し、追加手術が行われました。
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皮膚平滑筋肉腫
皮膚平滑筋肉腫
血管を取り巻く平滑筋細胞から発生すると考えられます。非常に稀です。
以前勤務していた総合病院で、1名見つかり、根治+再建手術を担当しました。
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