母斑(ほくろ)
母斑(ぼはん、ニーバス)
医学用語で、ほくろは母斑(ぼはん)と呼んでいます。母斑は黒褐色の元であるメラニンを作り出す細胞「メラノサイト」が集合した状態です。メラノサイトが増殖して塊になった時のメラノサイトをとくに母斑細胞と呼んでいます。
★保険適応について
母斑で保険診療の適応があるタイプは、5mm以上と大きいものや、小さくても盛り上がったものです。つまり、病理検査が必要になる変化する母斑は、保険診療で治療できます。盛り上がった部分をメスで切り取り、残った部分は電気メスで焼灼する方法(5,000円前後)と、すべて切り取って、縫合閉鎖する方法(10,000円前後)と2通りあります。 どちらを選択するかは、部位や大きさなどで患者様と相談の上で決めております。 費用は除去する方法で変わります。1㎜ごとに倍々になりません。大きくても同じ値段です(ただし2㎝以上の大きいタイプは2回の分割切除になる場合があります)。
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★自由診療について
長年存在する、平坦なほくろで、全く変化がなく、悪性の可能性がない母斑は、保険診療の適応がありませんので、自由診療のレーザーによるほくろ除去になります。ゆーかりクリニックでのほくろ除去費用は1㎜ 3150円、2㎜ 4200円、3㎜ 5250円、4㎜ 6300円で、ご提供しております。ほくろのレーザー治療について
保険処置の適応がない平坦なほくろはデュアルイエローレーザーで除去しています
いぼ
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい、ベルーカ)
いわゆる“いぼ”という呼び名は、いろんなぶつぶつした皮膚の状態に使います。
本当のいぼは尋常性疣贅と呼ばれ、ウイルスが皮膚の細胞に感染したことによってできます。通常は液体窒素による凍結療法が一般的な治療方法です。
首いぼはアクロコルドン、軟性線維腫とも呼ばれ、紫外線暴露による表皮細胞の異常増殖で脂漏性角化症の一種です。
小児に多い水いぼもウイルスによるもので、伝染性軟属腫と呼ばれます。これらは手術適応にはなりません。
表面が滑らかなポリープ状の盛り上がりは皮膚線維腫と呼ばれ、ほくろではありません。
いぼ
しかし、手術になるタイプのいぼもあります
足の裏にできた痛みを伴ういぼや長年治らない難治性のいぼは、くりぬき切除の対象になる場合があります。
いぼについて
粉瘤
粉瘤(ふんりゅう、エピダーマルシスト)
いわゆる おでき。アテローマとも呼ぶ。好発 顔、背中など。背中に多く発生する理由はおそらく、寝ているときにこすっていることが原因と思われます。
以前は毛穴を含めた紡錘切除を基本にしていましたが、最近はまず中心の毛穴をくりぬいて、中身を出してから、袋を取り除くくりぬき摘出が主流になりつつあります。
くりぬき摘出の適応は皮膚の表面近くで、浅いところにできた粉瘤です。皮膚が薄く、柔らかいことが必要です。背中の皮膚は厚く、硬いので、深い粉瘤はくりぬきでは摘出できません。
ケース1:くりぬき摘出法で除去した粉瘤です。
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ケース2:定型的な粉瘤の手術は、中心の毛穴を含めて皮膚を紡錘形に切除するとともに、袋の外側から取り出します。
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ケース3:同様に紡錘切除から袋を破らずに摘出しました。 袋の中身は皮脂や垢です。
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化膿した粉瘤
膿んだおでき(炎症性粉瘤、化膿したアテローマ)
大きくなってくると、毛穴が開き、常在する細菌が侵入しやすくなります。この細菌が特殊な菌で、空気、すなわち、酸素が少ない嫌気的な環境で増殖することができるのです。赤く腫れて膿が多量にたまります。
ケース1:化膿した巨大なおでき。皮膚の表面に麻酔を注射し、丸い穴を2か所開けます。
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多量の膿を出した後、針を外した注射器に生理食塩水を入れ、一つの穴から洗浄します。
1回の処置で治らなかったので、3回繰り返しましたが、炎症は引いて、きれいに治りました。
この方法は、大きな切開を入れる必要はありませんので、患者様にも看護師にも好評です。
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ケース2:化膿した粉瘤です。初診時にくりぬき排膿しておきました。3週間ほどで落ち着きましたので、残りの粉瘤をきれいに摘出することにしました。
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炎症で癒着していましたが、きれいに摘出することができました。傷痕もきれいになりました。
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石灰化上皮腫
石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ、カルシファイドエピセリオーマ)
皮膚から発生するカルシウムが沈着して、固くなるしこりです。好発は顔、首、腕などです。
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超音波が通過しない固いしこりなので、診断は容易です。
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外毛根鞘腫
外毛根鞘腫(がいもうこんしょうしゅ、トリキレモーマ)
毛根から発生するしこりです。好発 顔です。