船橋ゆーかりクリニック 形成外科 しこり 腫瘍

合併症

注意して、手術していても、合併症が発生することがあります。 合併症のようなトラブルは、起こらない方がよいに決まってますが、どんな手術も手術前に100%成功すると言い切ることはできません。 対処法が分かっていれば、あわてず、落ち着いて、対応できますので、このページではあえて合併症について記します。むやみに怖がる必要はありませんが、ご了解ください。

1.術後出血 

体表面の手術では、麻酔の効果を長くするためと、出血を少なくするために、局所麻酔薬には血管収縮剤のエピネフリンが含まれています。 効果がなくなってくると、じわじわ出血します。通常は電気メスなどで焼灼しますので、それほど出血しませんが、まれに脂肪組織の奥に引っ込んでしまったやや太い動脈が隠れていると、あとで出血することがあります。縫合部を開いて、電気メスで止血します。頻度としては非常に少ないのですが、1年に1度くらい起こります。

2.術後血腫

出血した血のかたまりが皮下に貯まった状態です。皮下にかたまりが残ってしまうと、盛り上がったり、感染の原因になりますので、縫合部を少し開いて、血腫を除去します。

3.術後感染

手術創が化膿してしまうことです。通常は消毒してから手術を始めますし、生体の抵抗力がありますから、化膿しませんが、何らかの原因、たとえば、血腫ができたあとなどで細菌数が増えたり、糖尿病など基礎疾患がある場合は抵抗力が低下しているので、化膿しやすくなります。

4.傷が開く (創離開)

関節の近く(たとえば、肩や肘、手首、足)は、運動で縫合部に力が加わり、傷が開きやすいので、しっかり縫合します。場合によっては、真皮縫合だけでなく、皮膚縫合が必要になります。

5.傷跡 (肥厚性瘢痕、ケロイド)

体質で傷跡が赤くなってきて、幅が広くなり、盛り上がってくる場合があります。切ったところだけ、赤く盛り上がる傷跡を肥厚性瘢痕、切った部分の周りにも赤い盛り上がりが広がってくる傷跡をケロイドと言います。治療法としては、いずれもドレニゾン(ステロイド)テープやケナコルト(ステロイド)注射で治療することが一般的です。

ケース1:大腿部の皮膚線維腫を切除した後に生じた肥厚性瘢痕。3か月後に膨らんできた。
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ケース2:鎖骨部の粉瘤のくりぬき摘出後に生じた肥厚性瘢痕。一旦、きれいになっていたが、数か月後に肥厚してきた。
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